易経入門

「易占い」の歴史

「易経」という学問は、陰陽学、五行学、先天・後天八卦、天文学、天干地支体系、などを含めた総合的な学問体系で、中国の四千年以上の歴史を支えてきた帝王学ともいわれます。

易学は中国の古典哲学でもありながら、伝統的な占い学でもあります。「易経」から伝わってきた占い手法は、大まかに、蓍草(筮竹)筮法、六爻占い(断易)、梅花易数(梅花心易)、四柱推命(八字)、風水、太乙神数、奇門遁甲、大六壬、紫微斗数などがあります。

「易経」という本は、中国の周王朝の始祖である、周文王(しゅう ぶんおう、紀元前1152年 - 紀元前1056年)により成書されたという伝説がありました。記載によると、周文王は七年間商紂王(しょうちゅうおう、紀元前1100年ごろ、殷王朝の最後の皇帝)に羑里(ゆうり)というところに幽閉され、そこで先天八卦と後天八卦に基づいて、六十四卦までに発展し、さらにそれぞれの卦に卦辞付き添いました。

周文王

周文王は、牢屋の中で、毎日蓍草という草を利用して、占ったそうです。

この蓍草の占い法は、易の「大衍之数」(だいえんのすう)の理に従った占い手法です。「大衍之数」は、「繋辞伝」に明白に記載しました。

興味のある方は、「繋辞伝」の上の部分を参考してください。

この方法としては、50本の草を用意して、まず一本を取り出し、太極を象徴します。残りの49本を任意に

二組(両儀)に分けて、陰陽を象徴します。

それから、「太極生両儀、両儀生四象、四象生八卦」の理で計十八回運算して、一つの卦を立てられます。

それから、その卦の卦辞と爻辞により、占いするのです。

しかし、蓍草はすぐに見つからないので、だんだんと蓍草を筮竹に変えて、現世に伝わってきました。

私は最初この手法を使ってみましたが、時間がかかりすぎて、かつ50本の筮竹がないとできないので、後は使わなくなりました。

周文王の筮竹筮法は、千年以上、漢の時代(紀元前206年~220年)まで伝わりました。

漢の時代に、京房(きょうぼう)(紀元前77年~紀元前37年)という偉大な易学者が現れ、納甲筮法(のうこうぜいほう)を発明しました。

筮竹筮法

唐末宋初の時代(紀元900年前後)に、「火珠林」とい

う占い本が現れた。「火珠林」の著者は、麻衣道者という

唐末宋初時代の有名な易学者です。火珠林筮方は、京房の納甲筮法を基礎に、三枚のコインを使い、六回を振って卦をたけます。

コインの表裏の向きにより、老陽、少陽、老陰、少陰の四つのパターンができます。

このようにして、六つの爻ができ、一つの卦を立てられます。また、老陽と老陰は動爻で、少陽と少陰は不変の爻であるという原則に基づいて、変卦を立てられます。主卦と変卦ができてから、それぞれの爻に天干地支を納入し、さらに世・応、六親、六獣などを配列し、空間の卦と時間の旺衰と合わせながら、五行の生剋関係により吉凶を判断する占い手法です。

ほかに、六爻筮法、六爻占いともいいます。

室町時代に六爻占い法を日本に伝わってきて、あまりの的中率で仙人の易と称され、「断易」という名で日本に広げました。

京房
六爻占い道具

中国の北宋の時代(紀元960年~1127年)に、邵雍(しょう よう、1011年~1077年)という人物は、六爻占いを基礎にして、「梅花易数」という占い法を発明しました。

邵雍、中国の易学界では、最も重要な代表人物の一人であります。宋王朝の二人の皇帝は数回にわたって、

大臣になってほしいと誘ったが、邵雍に断って、一生庶民の身分のまま。

易を専念しながら、自由自在な生活を過ごしました。

死後、皇帝の宋哲宗は、「康節」という名前を授かり、後世はよく邵康節と称されます。

邵康節

邵康節は、納甲筮法の複雑な運算方法を放棄し、

もっと簡単な占い方法を作りました。それを「梅花易数」と名付けました。

理由は、梅花の花弁は五つあるので、五行を代表します。

もう一つは、梅花は冬に咲き、一般の花と違うので、邵康節は梅花を自分の素晴らしい人格を比喩したからです。

梅花易数は時間により立卦し、占い師の心ゆくまでに相手のことを占えます。

邵康節は「法無定法、我心為法」(梅花易数は、決まった方法はなし、我が心は技法である)といいましたので、後世では、「梅花心易」とも名付けました。

梅花心易は、時間・数字・方位・人物など周りにあるものを使って、瞬間的に立卦します。できた主卦、互卦と変卦の象に基づいて、体卦と用卦を決め、互いの生剋関係によって、過去から未来、人の一生の運勢、一つの物事の発展の過程と結果を占って、吉凶判断をします。

梅花心易は現代になると、易の「不易・変易・簡易」というルールに基づいて、時代と共に発展してきました。

梅花心易のすばらしいところは、時間、数字などを使って立卦するだけではなく、目の前に現れた車のプレートナンバー、相手の電話番号、もしくは相手が聞く時間、また相手は着る服装などにより、自由自在に卦を立てて、占うことができます。

 また、梅花心易により卦を立ててから、六爻の手法で天干地支、世・応、六親、六神あんどを加えて、「梅花六爻」占い法という新たな占い方法を作られ、あたり率はさらに高めました。

© 2021 易海陽光

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