奇門遁甲

奇門遁甲の人盤八門

奇門遁甲は、易学占術の中で最高レベルの予測学である。古来は「帝王の学」、「中国占術の王様」と呼ばれ、易学占術の集大成である。


 奇門遁甲は、春秋戦国時代は、「陰符」と呼ばれる。漢、魏の時代は「六甲」と呼ばれる。

隋唐の時代は、「遁甲」と呼ばれ、明清の時代では、初めて「奇門遁甲」と呼ばれるのだ。

奇門遁甲は、そもそも戦争布陣のために作られた。

孫子兵法」の中に、「善守者蔵于九地之下、善攻者動于九天之上、故能自保而全勝也」(守衛にうまい人は、九地の下に隠すことができる、攻撃にうまい人は、九天の上で行動するので、自分を守りながら全勝ができるのだ)。

ここでいう九地、九天は、奇門遁甲の八神のことを指すのだ。

奇門遁甲は、天盤九星、地盤九宮、神盤八神、人盤八門、計八つのシステムで構成される。

天盤とは、宇宙の中に地球に最も影響する諸星体を指す。
地盤とは、大地が人に対する力関係を表す。
神盤とは、宇宙間の神様、鬼などの神秘のエネルギーを表す。
人盤とは、人間は時空の中に居て、天盤地盤と神盤との関係による吉凶を表すのだ。

奇門遁甲は、天盤、地盤、神盤と人盤の四大盤を合わせて、平面かつ立体の時間と空間のモデルを作って、このモデルの中で人の吉凶を判断する術である。

本文は、人盤八門について説明する。人盤は、門盤とも呼ぶ。

時間と空間のそれぞれの方位に中で、人間の諸活動に対する影響によって設置されている。

人盤は合計八門があり、八卦、八方に応対する。

八門とは、休門、生門、傷門、杜門、景門、死門、驚門、開門である。

中に、開門、休門、生門は三吉門である。

傷門、死門、驚門は三凶門、杜門、景門は中平の門である。

休門は、北方の坎卦に応対し、五行は水である。休門は貴人に謁見する、婚姻、休憩、定年になる人を司る。

生門は、東北方の艮卦に応対し、五行は土である。不動産、利息、利益、商売、生産、生育などを司る、

傷門は、東方の震卦に応対し、五行は木である。債務返還請求、ばくち、狩猟などを司る。

杜門は、東南方の巽卦に応対し、五行は木である。閉塞不通、隠蔽、秘密、隠遁、機密などを司る。

景門は、南方の離卦に応対し、五行は火である。計略、策士、風景、道路、観察、明察、流血の災いなどを司る。

死門は、西南方の坤卦に応対し、五行は土である。死亡、死体、結束、土地などを司る。負担は葬式、狩猟などのことをするとよい。

驚門は、西方の兌卦に応対し、五行は金である。いざこざ、争い、裁判、喧嘩、弁護士、教師、演説、驚異事、怪異事などを司る。

開聞は、西北方の乾卦に応対し、すべての物事の開始、始まり、官運、官職、店舗、頭部に関することなどを司る。

奇門遁甲では、八門より値使を決める。値使は値符の役割を行使する当番である。運用するときに、入る宮との関係、旺衰によって判断する。

八門について、古代の奇門訣がある。

吉門被克吉不成、凶門被克凶不起。
吉門相生有大利、凶門得生禍難避。
吉門克宮吉不就、凶門克宮事更凶。
吉門被迫吉不就、凶門被迫事更凶。
欲求財利往生方、葬猟須知死路強。
征戦遠行開門吉、休門見貴最為良。
驚門官訟是非多、杜門無事好逃蔵。
傷門博斗能捉賊、景門飲酒好思量。

この奇門訣は、門と宮との関係、八門お主な信息を語り、八門に対する理解と実際に占いする時の考えにとても重要である。

ほかに、休門(その他の七門)はなぜか坎宮(その他の八宮)に入るのか、吉門(凶門)になる根拠、休門(その他の七門)の名前になる根拠、休門(その他の七門)は八宮とどのような関係になるのかなどについての解説、上の奇門訣の具体的な意味と解釈を理解すれば、これから奇門遁甲の勉強と予測に、非常に役に立つのだ。
具体的な解釈は日本易経協会のホームページの会員ページで公開する。会員の方は会員ページでご覧になってください。

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